裁量労働制
裁量労働制 専門裁量型
専門職裁量労働時間制は①指定された業種(研究開発、システム開発、デザイナー、庄家七リスト、公認会計士、弁護士等)について、②健康確保措置及び苦情処理措置が定められた労使協定があり、③労働時間に裁量が与えられている場合に限り有効とされます。
しかし、実際には裁量労働制が有効となる事例はあまりありません。
具体的には、①の指定された業種とは例えばプログラマーは設計作業ではないので指定された業種には当たらないとされていますし、研究の補助職も研究者ではないとされています。
また、②の労使協定が有効に作成されていない場合(例えば、過半数代表を選出するプロセスを履践せずに会社が指定する人間にサインさせただけの場合や)も少なくありません。
また、③の要件も社内で当該専門職の人間はは自分一人というような場合は裁量が与えられていることが多いでしょうが、当該専門職が多数いるような職場では労働時間や仕事の進め方について上司に管理されていることがむしろ一般的であり、専門職裁量労働時間制は適用されません。
企画裁量型裁量労働制
これも、実際に有効に適用さている人はかなり限られており、裁判で争えばほとんど無効になります。
まず、個別に本人の同意がないと適用されません。
適用対象となる業務は企画、立案調査及び分析の業務で、業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行方法を大幅に労働者にゆだねる必要がある業務である必要があります。
企業全体に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす決定を行う業務に限定されており、当該職場にのみ影響するようなものは原則として適用外ですので、かなり対象業務は限定されています。
また、労使委員会で5分の4以上の議決と労基署への届け出が必要となりますが、中小企業では実践していないことがほとんどです。
さらに、実際の労働者から業務の遂行方法について具体的な指示をしているような場合には適用されないとしています。