歩合給
歩合給だから、残業代は支払わなくてよいというのも完全に間違いです。
固定給の部分には通常通り残業代がつくだけでなく、歩合給に対しても残業代を支払う必要があります。
ただし、計算方法は次のとおり、歩合給部分に対する残業代はあまり大きな金額にならず、給料の相当部分が歩合給の場合、同じ金額固定給の場合に比べて残業代は少なくなります。
設例 月平均所定労働時間160時間で40時間残業して、月給16万円、歩合給4万円支給された場合
固定給部分 16万円÷160時間×125%×40時間=5万円
歩合給部分 4万円÷(160時間+40時間)×25%×40時間=2000円
固定給部分 16万円÷160時間×125%×40時間=5万円
歩合給部分 4万円÷(160時間+40時間)×25%×40時間=2000円
計4万2000円となります。
一方、固定で月給20万円の人が40時間残業した場合の残業代は6万2500円(20万円÷160時間×125%×40時間)となりますので、かなり減ってしまうことになります。
歩合給部分が125%ではなく25%しか支給されないため、歩合給に対する残業代は通常それほど大きな金額にはなりません。
これは、残業時間の歩合給は割増部分を除いてすでに歩合給として支給されていると考えるからです。
もっとも、この歩合給の計算式が適用されるのは、時間に比例して成果が増え歩合給も増えるという関係があるものに限られます。
そのような関係があるから割増部分を除いて支給済みと言えるからです。
従って、皆勤手当て、無事故手当など、労働時間の長短とは関係なく一定の勤務実績をクリアした場合に固定的に支給される手当は歩合給とはいいません。
労働時間が長くなれば成果が上がるという関係にないため、歩合給の特殊な計算の前提を欠くからです。